ドイツと日本の展示会における違い Vol.4 装飾規約の違い

みなさま、こんにちは
ドイツと日本、国が違えばルールも違ってきます。
今回はドイツと日本の展示会ブースの装飾規約の違いについて見て行きましょう。

はじめに

一括りに違いと言っても会場・主催者により規約は若干異なってきますので、
一部例外はあるかと思いますが、ブースを建てる上で大きく違うのは以下の3つになります。


  1. ブースの高さ制限

  2. セットバックルール

  3. 天井工事の違い



1.ブースの高さに制限について

まずはブースの高さ制限の違いについて見て行きましょう。
展示会の規模・会場・主催者により若干の差はあるものの、国内の展示会では、高さ制限2.7-4m、最大5mまでが多いです。
それと比べるとドイツの場合は、6-8mの高さまでブースを建てることが可能です。

例として下の2つの展示会の装飾の高さ制限を見てみましょう。

Messe Duesseldorf 2019 Technische Richtlinie
インフォーママーケッツジャパン株式会社 2021 Medtec Japan出展者マニュアル及び各種提出書類 
                                     (株式会社ノイ調べ)

 

ドイツの見本市会場はとても広くホール毎に高さ制限があります。
デュッセルドルフの会場も、重層階(3階建て)となっている7ホールは制限が3-4mとなっていますが、他のホールは6-8mの高さとなっていることがわかります。


2.セットバックルールの違いについて

2つ目にセットバック(後退)規約の違いです。展示会の装飾規約にも小間利用における セットバックのルールがあります。
日本の場合はブースを建てる時、隣接面、通路面に対して装飾・造作物のセットバックが義務付けられていることが多いです。
ドイツの場合は、日本のようなセットバック規約が原則ありません。
ただし、一部限定的に隣接側に自社のサイン(看板)等を向ける場合はセットバックが義務づけられることもあります。

先の2つの展示会で今度はセットバックの違いを見てみましょう。

Messe Duesseldorf 2019: Technische Richtlinie
インフォーママーケッツジャパン株式会社 2021: Medtec Japan出展者マニュアル及び各種提出書類 
                                     (株式会社ノイ調べ)



ドイツの場合は日本のような厳密なセットバック規約はありません。隣接側にコマーシャルグラフィックを入れる場合のみ、セットバッグの義務付けが行われているのがわかります。

  

3.天井工事の違い

それでは最後に天井工事の違いを見て行きましょう。
ドイツの展示会で普通に行われる装飾工事で日本では一般的でないものもあります。
それが下の写真にあるような【天吊り】と呼ばれる天井工事になります。



ドイツでは一部例外を除いてどこの見本市会場でもこのような天井からの吊り下げ工事が可能です。
日本のビッグサイト等を含めた展示会会場ではモーターショー等の大規模な展示会を除いてこの工事をすることはほぼ出来ません。
Vol.1でも述べた通り、これはドイツに比べて日本の展示会は施工準備期間が短いことが理由の一つとして挙げられます。
その為、日本では自社のサインの視認性をアピールする方法として、バルーンによる装飾が多く見られます。逆にドイツはバルーンによる装飾は一般的では無く、ほとんど見かけることもありません。

おわりに

ドイツの会場は元々見本市に特化した作りになっており、ブース装飾の自由度も各段に高くなります。そして、ヨーロッパをはじめとした海外の出展者はブランディング・ビジネスの場としてのブース作りにも力を入れる為、会場はとても華やかな雰囲気になります。
これらの燦然たるブースの中に埋もれないよう、自社アピールの場としてスペースを最大限有効利用した装飾を考えてみましょう。

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