ドイツと日本の展示会における違い Vol.6 グラフィック

今回は、「グラフィック」の違いについてご紹介します

ここでは、「グラフィック」= ブースに掲示する印刷物・ビジュアル情報

とイメージしてみてください!


早速ですが、まずは写真をご覧ください。
こちらは、ドイツの電車に関する展示会で見かけたブースです

とてもシンプルなのですが、パッと見てかっこよく目を引く印象的なブースでした。

このブースの「グラフィック」は、

・ブースの上部のグラフィックサイン(社名ロゴ)

・壁面の大判イメージ (写真)

・中央水色壁面のコピー(文字情報)

以上の3つだけで構成されていて、カッコイイだけではなく
「何をアピールしたいか」「会社のイメージ」「会社名」が ストレートに伝わってこないでしょうか?

一方、日本の化粧品に関する展示会で見かけたブースです

ブース壁面全体のグラフィックでアピールをされていて、出展品への熱意がとても伝わってきました!!!
ただ、文字と写真の情報量がとても多いので
会期最中の賑わっている会場では、喧騒とも紛れてしまって目に止まりにくく
せっかくのグラフィック内容を、見流してしまわないでしょうか??

この様に、壁面いっぱいにグラフィック・合わせて文字情報を入れているブースを
日本の展示会ではよく見かけます

グラフィック要素がすっきりとしているドイツブースと
文字情報も含めて内容が盛り沢山の日本ブース…..
違いはどの様な理由にあるのでしょうか??

グラフィック に求めることの違い

展示会では、
来場者がブースの前を通るほんの「数秒」の間にいかに興味を引き付けるか 
が、とても重要と言われています

それというのもドイツの展示会は、世界各国から多数の出展者・来場者で賑わっていて
会場内では常に視聴覚が刺激されていて、ある意味緊張状態が続きます!
その様な中で人を惹きつける為に
内容や情報が整理された → デザインされたグラフィックを効果的に打ち出すことで
来場者の興味を引きつける手法のブースが、数多くある様に思います
(※先にご覧いただいたドイツの写真でもグラフィックは3つの要素に整理されていました!)

こちらもドイツの展示会での写真です。

この様な人混みの中でも「会社名」「ブランドイメージ」「メッセージ」を
数秒で、来場者の視覚へ訴えるグラフィックではないでしょうか?

一方、日本の展示会では先ほどの写真の様に
商品情報や説明文をブース全体やパネル化してグラフィックにしていることが多く
グラフィックを「見てもらう」「読んでもらう」為のものとする傾向かと思います

これは、前回の「Vol.5 ブース内の空間に対する考え方」でも触れた様に
ドイツでは展示会を「コミュニケーションの場」と捉える一方
日本は「PRの場=見てもらう為の場」と捉える傾向にあることが一因にあるかと思いました
それは少し受け身的な印象を受けますので、世界各国から多様で多数の人々で賑わう
ドイツの展示会には、あまりそぐわないかもしれません….

ドイツのブースグラフィックは
「見てもらう」のではなく、

数秒で「伝わる」もの!

その他にも、ドイツと日本ではブース施工の期間や規約、施工に使用する材料が違います
それがグラフィックの違いに関わる大きな要因にもなりますので
この後の連載で、その部分についても触れていけたらと思います!!!

画像と、モニターの動画、社名ロゴサインの3種類の
壁面グラフィックで整理されています
大胆な壁面グラフィックが目を引き
人混みでも目立っていました
壁面と床面をグラフィックで繋いだ
とても印象的なデザインでした


Y.

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