出荷手配で注意すべきこと

輸送会社指定場所へ貨物を搬入すれば、その後は輸送会社が本邦での輸出通関、仕向地での輸入通関を手配し、ブースまで搬入してくれます。
出展者で注意しなければならないのは、梱包、インボイス作成、保険付保の3点です。

1. 梱包手配

国際輸送に耐え、展示会場内で簡易に取り扱いのできる梱包が必須です。
梱包するにあたっての押さえておくべきポイントを以下にまとめました。

特に海上輸送で手配される場合は水濡れ、コンテナ内の温度変化に耐えうる防湿木箱梱包手配がお勧めです。欧州や欧米向け海上輸送の場合、航海日数だけで35~36日、前後の通関日数を含めると、約2カ月間です。その間に赤道、高温多湿地帯を通過する為、輸送品にカビなどが発生する可能性が高くなります。その為、一般的には湿度を少なくする防湿梱包(バリア材でご貨物をくるみ中に乾燥剤を入れ、空気を抜き湿気をなくす梱包)が推奨されます。木箱は燻蒸処理済みの木材で、もしくは燻蒸不要の合板材で作成しましょう。

燻蒸に関するリンク

https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-001145.html

木箱梱包時には展示会場内で簡易に取り扱いできるよう、ボルトまたはクリップ締め梱包をしましょう。開梱に時間を要したり再利用が難しくなるため、釘打ち仕様の木箱梱包はお勧めしません。大型出荷品などの重量品は全面ボルト締め梱包を推奨します。展示会場内で工具の貸し出しは行っていません。また現地で調達することも難しい場合があります。

現地で包装材料の入手は困難なので、必要と思われる再梱包資材(エアキャップ・ガムテープ・除湿材等)及びボルトの予備はあらかじめ日本で準備し、出品物と同梱包してましょう。日本で事前に調達し、消耗品として梱包の上、往路貨物に含めましょう。

内容品の性質に応じ、以下のような注意マークを、梱包の両側面に貼り付けるか刷り込み印刷して下さい。

木箱梱包
防湿梱包
強化段ボール梱包
パレット梱包

2. 書類準備(通関用インボイス、パッキングリスト、非該当証明書の準備)

展示会出荷品であっても一般貨物輸送と同様に日本での輸出通関手続き、相手国での輸入手続きのため、インボイス、パッキングリストを作成する必要があります。

“Stationery”“Sample”“Parts”等のあいまいな表現はダメです。具体的な名称で記載しましょう。さらに、用途や成分、材質も分かれば併せて記載が必要です。詳しく書くのは、各国の税関で審査する際に、統計品目番号と税率を確認する為です。
何故こんなに真面目にやらないといけないのかというと、通常の一般貨物輸送と同じ流れで輸出入手続きがされるからです。
税関検査でインボイス&パッキングリストに記載されていない品物が同梱されていることが発見されると、全ての貨物が税関で止められ展示会会期までに輸送が間に合わなくなる恐れがあります。

出荷品の価格は、FOB価格(日本円)で記入する必要があります。これは日本の輸出通関時の課税価格がFOB価格だからです。”FOB金額=国内出荷価格”です。カタログ・装飾品などの売買の対象とならない貨物についても、必ず数量と価格を記載してましょう。(例:サンプル品、お土産、アクせサリー、雑貨、申告価格¥0等の記載は認められません。)

出品物が、リスト規制品目及びキャッチオール規制品目非該当の場合は、 メーカーが発行する非該当証明、もしくはパラメーターシートを提出しましょう。また、出品物が法令で規制されている場合は、必ず許可、承認を得ましょう。

3. 保険手配

出展社が輸送手配で用意しておくべき保険としては、「貨物海上保険」(出展品の貨物輸送に関する保険)、「輸送業者貨物賠償責任保険」(日本国内と展示国内における運送保険)などがあります。こららは、いずれも国内外の損保会社が取り扱っています。
なお、現地輸送上のダメージが発生した場合、保険会社は保険料の請求を現地輸送業者に対して行いますが、現地業者の負担の能力は非常に小さいものなので、第三者求償権放棄特約付保険を付保されることをお勧めします。

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